John Grant - Pale Green Ghosts


年の瀬に先駆けてRough Tradeがアルバム・オブ・ザ・イヤーを発表していましたが(こちら)、その栄えある第1位として取り上げられていたのがこの作品。ジャケ写の鋭い視線に妙に惹かれて聴いてみたら、とんでもない名盤でした。


1994年から2004年にかけてThe Czarsというバンドのフロントマンとして活動した後ソロに転向、アルバムは2010年リリースの前作"Queen of Denmark"に続いて今作で2枚目。
私生活では、昨年のHercules and Love Affairとのライブにおいて彼はゲイであることと、HIVポジティブであることを公表しています。
これらを知って改めて聴くと、楽曲のいくつかから、彼の置かれている状況や過去の恋愛に基づいたであろう情景が描かれていることが窺えます。
時に皮肉じみた歌詞に、深みと色気をたたえたボーカル、シンセポップとスロウコア〜カントリーを混ぜたような絶妙な音数とバランスの楽曲と、それぞれの要素が見事に組み合わさった非常に素晴らしいアルバムです。



アルバムの表題曲である1曲目の"Pale Green Ghosts"。じわじわと展開する音像にグッと引き込まれます。


こちらは"GMF"(Greatest Motherf**erの略)、名バラードです。


Pale Green Ghosts: Limited

Pale Green Ghosts: Limited


リミックス盤を加えた2CD版も出ていますが、Rough Tradeからはアルバム・オブ・ザ・イヤー記念としてデュエット盤を含めた3CD版がリリースされています(こちら)。