Sophie Ellis-Bextor - Wanderlust


今年初CD購入!
英の女性シンガーソングライターSophie Ellis-Bextor、通算5枚目となるアルバムです。
今作は過去の作品と打って変わって非エレクトロ系、プロデューサーにEd Harcourtを迎えた生音志向の一枚。元々どんな曲を歌わせても似合っちゃうような声質の持ち主であることと、彼女がソロ活動を始める前はTheaudienceというインディーロックバンドのボーカリストとして活動していたということもあり、相性抜群です。前作リリース後の2012年に第3子となる男児を出産し、母として、そしてひとりの女性として一皮剥けた魅力を放っております。



そういえば昨年は本国BBCの"Strictly Come Dancing"という社交ダンス選手権的な番組の新シリーズに出演(出場?)してすんばらしい健闘を見せていました。これも追い風になって本作は全英アルバムチャート初登場4位(!)と前作の大コケっぷり(33位)を見事に挽回。ここにきて再注目の波がきてます。翌々振り返ると、バンド時代も含め17〜8年(彼女の年齢の半分くらい)の音楽キャリアを積んでおり、今なお第一線で安定した活動を続けているのはなかなか凄いことではないかと思います。
写真集のような初回盤のパッケージやビジュアルも今作はきちんとしていて(と言うよりは単に前作が酷かっただけなんですが…)、ひとつの作品としてかなり秀逸な出来です。


シングルカットされた「Young Blood」を筆頭に、"One, two, three, four..."と畳み掛けるようなサビのフレーズが印象的な「13 Little Dolls」、アウトロのメロディーが若干ロシア民謡的な「Wrong side of The Sun」など粒揃い。ラストにつれてテンポアップしていく「Love Is A Camera」はバルカン地方の舞踊のようでもあり、アルバム全体的に中欧〜東欧のフォークソングの趣も感じさせます。ロシアで絶大な人気を誇る彼女なので、その辺りも若干意識して作られたような気がしなくもないです。
こういったオールドスクールな路線を2010年代に、しかもエレポップシンガーとして活躍している彼女が歌う、という所にもグッときます。間違いなく日本でももっと注目されて良い名盤。