MarsheauxがDepeche Modeのアルバムを丸ごとカバー


2013年に10周年を迎え、昨年はベスト盤もリリースされたギリシャのエレポップ女子Marsheaux(マルソー)。節目を迎えてもなお勢いを落とすことなく、かねてよりアナウンスされていたDepeche Mode ”A Broken Frame”をまるっとカバーしたトリビュートアルバムを1月にリリースしました。カバーですが一応、通算5枚目のスタジオアルバムとしてカウントされています。



Marsheaux - A Broken Frame (Amazon)



Depeche Mode - A Broken Frame (Amazon)


“A Broken Frame”は1982年にリリースされたDepeche Modeの2ndアルバムにあたる作品。Vince Clarkの脱退によりMartin L. Goreがソングライティングの中心を担い、以降のバンドの方向性を決定付けたとも言われる重要作です。セールス的にはこれまでのディスコグラフィの中では地味なものだったのかもしれませんが、Marsheauxはこのいわば”隠れた名作”に対するひとつの回答として、今一度スポットを当てるべく制作に踏み切ったのだろうと思われます。それはもう並大抵の愛では成し得ないことです。オマージュばっちりな構成のジャケット写真からもその気合が窺い知れます。
デビューから80sの電子音楽をこよなくリスペクトしながらも、単なる焼き回しに終わらないアップデートされた今の音を聴かせてくれる彼女たちだからこそできる企画だと言えるでしょう。
200枚限定生産のLP+ボーナスCD盤はUndo Records公式ショップのみでの受注にもかかわらずおよそ半日で完売(!!!)。続いて通常盤のLPおよびCDのリリース、そして”Monument”のシングルカットもアナウンスされるなど、DMファンを中心とするシンセポップ大好きおじさん(誰?)の熱視線と懐事情をよく心得た攻めの姿勢で売りに行っており、非常に感心しました。過去のオリジナルアルバムのプロモーションが超絶ユルかっただけに(度重なる延期・歌詞カードのミスプリント etc.)、逆にここまで本腰入ってるのがちょっと変な感じ。笑


兎にも角にもこの原曲に引けを取らない高水準のカバーアルバム、気になる方はまず1曲目の"Leave in Silence"で聴き比べをしてみることをお勧めします。


こちらが原曲。個人的にDMはダークなお耽美系路線よりも初期のピコピコした感じの方が割と好みだと改めて思った。