EP OF THE YEAR 2014 (5-1)




【BEST OF 2014】
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )


5. Perfume - Cling Cling


今年はライブ2本(@マリンメッセ2days)とNY公演のライブビューイングと相変わらずPerfumeの現場にしっかり足を運んで踊り狂ってきましたが、今までほどに熱を上げることもなくなったような気がしなくもない。
とは言うものの、こちらの最新シングル(というよりは4曲入りEP)、"LEVEL3"もそうでしたが、ライブ(パフォーマンス)という軸があっての音楽作品であるという彼女達の今のスタンスをより押し進めた一作として、ともするとフルアルバム並みのボリュームを伴って攻めて来ました。
表題曲と"いじわるなハロー"の2曲が特にお気に入りですが、"Hold Your Hand"はライブで振り付けも込みで観ると、ちょっと涙腺が刺激されます。曲の最後に3人がカチッと手を繋ぐ瞬間は不思議と鳥肌が立ちました。こういう体験をすると、あ、やっぱり何だかんだでPerfumeのこと好きなんだよな…と改めて思わされるのでした。
ただひとつだけ言わせてもらうなら、そろそろ衣装をどうにかすべきだと思います。





4. Tove Styrke - Borderline


スウェーデンの若き歌姫Tove Styrke(読み:トーベ・スティルケ)がガラッと路線を変えてカムバック。来年の全米デビューを控えての戦略が垣間見えますが、この路線変更、大歓迎です。
一発目のシングルとしてドロップされた"Even If I'm Loud It Doesn't Mean I'm Talking To You"(タイトル長すぎ)には驚きましたが、思い返せばデビューアルバムの再発盤に収録されている既発曲"Bad Time For A Good Time"に女性ラッパーのGnucciをフィーチャーしたバージョンで既にその兆候が見られていたので、何となく腑に落ちました。
そして個人的にガツンとやられたのがその次にリリースされたタイトルトラック"Borderline"、レゲエチューンなんですが、イントロの音の鳴り方がたまたまそれっぽいだけなのか、楽曲全体にどことなく昭和の日本のフォークソングのような哀しげな空気(あるいは虚しさ)が漂っていて、半ばやさぐれ気味のけだるいボーカルがそれを助長させて非常によろしい。またこの曲のMVの撮影は北極圏に位置するスヴァールバル諸島(人が定住する最北の地)で行なわれ、最果てを感じさせるに相応しい仕上がりです。
そしてこのほど彼女は新たなMVの撮影のため初来日を果たした模様。察するにこのEPの"Samurai Boy"なのではないかと思われますが、こちらの映像の出来にも期待です。





3. Auto-Auto - Underwater Sounds Pt.1


こちらもスウェーデンよりエレクトロバンドAuto-Auto、前作のEPに引き続きインディー路線を押し進めているようですが、今作ではテクノ的な音像が目立つようになりました。1曲目から7分の長尺トラックで幕を開ける"White Room"がその変化を如実に表していますが、メンバーのJohanの奥さんを客演ボーカルにフィーチャーした"Little Worth Fighting For"では変則的な打ち込み3拍子で、いつもの彼ららしいトリッキーなソングライティング能力がきっちりと反映されています。
そしてこのEPのタイトル、Pt.1ということはつまり…RobynのBody Talkシリーズみたいな展開をどことなく期待しつつ、来年の動向を楽しみにします。





2. Little Boots - Business Pleasure


UKエレポップ界孤高の職人、今度はビジネスウーマンに大変身!?…などというダサい触れ込みを考えるはさておき、昨年リリースの2ndアルバム"Nocturnes"が周囲の評価や売り上げに反して個人的にかなりツボな仕上がりだったので以降の動きを期待してましたが、こう来たか。
先行して公開された"Taste It"のMVに目が行きがちですが、どう考えても注目すべきはCom Truiseとタッグを組んだタイトルトラック"Business Pleasure"でしょう。なんとも意外な組み合わせ。Com Truiseが手がけたリミックスは大概Com Truise色に染められてしまうので、彼の持ち味である80年代リスペクトなシンセサウンドに食われまいかと不安でしたが、一方のLittle Bootsによる巧みなコーラスワークを伴うボーカルプロダクションと見事にマッチして、絶妙に妖しい魅力を放つ良曲に仕上がっています。この硬派な質感こそがまさしく今の彼女にとっての文字通りBusiness Pleasure(仕事であり楽しみ)なのでしょう。
スーツに身を固めたビジュアル、フェティシズム的嗜好のMV、エレクトロサウンド…かつてのCLIENTを彷彿とさせるこの感じ。大好きです。





1. Röyksopp & Robyn - Do It Again


1位にしておいて真っ先にこれを言うのも非常にアレですが、来年1月の来日公演、すごく楽しみにしていましたが結局中止になってしまいましたね…無念。
兎も角このとんでもない組み合わせのコラボレーション、5曲だけなんて勿体無い。しかし過去を遡れば2009年にRöyksoppの3rdアルバム収録の"The Girl And The Robot"に端を発し、その翌年にRobynのアルバムにて"Non of Dem"を発表するなど相性の良さは実証済み。
"Monument"はRöyksoppのラストアルバムに収録されているバージョンの方が断然好きなのですが、この1曲目とラスト曲が9分超えの大作で、その間に挟まれた3曲はキャッチーな攻め曲で固める構図で、たったの5曲とはいえフルアルバム並みのボリュームと熱量を感じさせます。





【BEST OF 2014】
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )