EP OF THE YEAR 2015 (5-1)




【REPOOOOORT BEST OF 2015】(※随時更新していきます)
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )


5. Danny L Harle - Broken Flowers


今年も多くの話題を提供してくれたPC Music界隈、10月にはColumbia Recordsとパートナーシップを結びメジャー進出したというニュースが飛び込んできましたが、翌月に第一号リリースとして発表されたのがこちらの作品。
元々クラシック畑の人ということもあり、下手に変態的アレンジの応酬で強行突破しない堅実さやアレンジの丁寧さを随所に感じることができ、なぜだか安心して聴けます。根が真面目そうというか、“Forever”や“Awake for Hours”辺りを聴いてるとどうしても、敢えてPC Musicの音楽性に寄せていってるんだろうな…と思ってしまう。そんなところがA.G.CookやSOPHIEと言った一派の他アクトとは違う空気感を醸し出す所以なのやも。


https://youtube.com/watch?v=yiJZNWq7nMQ




4. 杏窪彌(アンアミン) - 来来!!不夜城アンアミン


台北出身の女子ヴォーカルを擁する2011年結成のバンドによる初の全国流通盤。ほんのり中国語発音の名残を感じる日本語歌唱や「ヤー!ヤー!」「ホイホイ」など耳に残る合いの手がキュートな魅力として楽曲にうまく作用しています。本当にまるで台北と東京の街の空気をまぜこぜにしたような現代のエキゾチシズムが詰まっている。“senpai”は是非ポッ○ンミュージック辺りに採用されてて欲しいエモさとノリの良さ。一方“ひみつのみつ”のようなユルめな歌詞世界の楽曲はこのバンドの真骨頂のよう。ああ、一時期ロキノン系だとかバンドサウンドにハマっていた10年前、高校生だった頃の自分に聴かせてあげたい。きっと今よりもどハマりするはず。





3. Annie - Endless Vacation


2013年リリースの“The A&R EP”が名作すぎて比較するのが憚られますが、そんな前作を踏襲した90s感溢れる楽曲群でコンパクトにまとまった計4曲。ジャケットのデザインも引き続きPaolsziによるもので、カセットテープのインデックスカード風なのが最高にイケてます。これはもういっそカセットでリリースするべきでしょう!
ちなみに初回盤は彼女がこれまでにツアーやプライベートで世界各地を訪れた時に撮られた写真がランダムで同封されています。日本でのショットもあるそうですが、筆者が引き当てたのはフィンランドでの写真でした。





2. Kali Mutsa - Souvenance Remixes


(彼女の詳しい経歴についてはこちらの対談記事にて紹介する機会をいただきましたので、是非ご参照ください。)
チリの女優Celine Reymondによる音楽プロジェクトKali Mutsa。2014年リリースのファースト作“Souvenance”から楽曲とリミキサーを選りすぐり、エスニックな原曲とクラブミュージックの親和性の高さを示した一作。Picnic KibunのTatsu Jonesが主宰するレーベルENDMKからのリリースで、本作の特設ページにもあるように、Kali Mutsaのコンセプチュアルな世界観に合わせ、収録曲それぞれを6つのエレメント(火・水・地球・風・月・太陽)になぞらえるなど、リミックス集とは言えどもきちんと一つの作品としてキュレーションが成されています。Sudanim(UK)やKing Doudou(フランス)など、ヨーロッパのリミキサー陣も参加しており、世界を照準に彼女の音楽を広くアピールする良い機会にもなっている模様。





1. Robyn & La Bagatelle Magique - Love Is Free


昨年はRöyksoppとのコラボもあり、そろそろRobyn姐さんのソロ活動を……と思っていたら、新たなプロジェクトでより斜め上にブチかましてくれました。90sのハウスシーンに対するオマージュがふんだんに散りばめた全5曲。タイトルトラック“Love Is Free”のインパクトもさることながら、締めを飾るArthur Russel(Loose Joints)のカバー“Tell You (Today)”も原曲のフィーリングを生かしつつビート感を強めたご機嫌なディスコチューンで非常に好みです。
「愛は自由」というタイトルなんだけど、ただハッピーで自由に謳歌される「愛」だけが全てではなく、そこに付きまとう「死」の影を感じずにはいられない。 40歳という若さでエイズによって死去したゲイのアーティストであるArthur Russelの楽曲をカバーするというチョイスの妙もあるのだろうし、2006年に“Dream On”でコラボレーションして以来の仲だったプロデューサーのChristian Falkを2014年の夏にガンで亡くしたことも大きな要因なのかもしれない。クラブ音楽のカルチャーの歴史的変遷ともリンクしそう(ちょうどこんな記事を読んだりしてた)。上手くは語れないけど、何か見えないものに対して乗り越えたり抗ったりする強い力を音楽に宿す彼女(達)の覚悟の表れなのだろうな。





【REPOOOOORT BEST OF 2015】(※随時更新していきます)
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
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