MarsheauxがDepeche Modeのアルバムを丸ごとカバー


2013年に10周年を迎え、昨年はベスト盤もリリースされたギリシャのエレポップ女子Marsheaux(マルソー)。節目を迎えてもなお勢いを落とすことなく、かねてよりアナウンスされていたDepeche Mode ”A Broken Frame”をまるっとカバーしたトリビュートアルバムを1月にリリースしました。カバーですが一応、通算5枚目のスタジオアルバムとしてカウントされています。



Marsheaux - A Broken Frame (Amazon)



Depeche Mode - A Broken Frame (Amazon)


“A Broken Frame”は1982年にリリースされたDepeche Modeの2ndアルバムにあたる作品。Vince Clarkの脱退によりMartin L. Goreがソングライティングの中心を担い、以降のバンドの方向性を決定付けたとも言われる重要作です。セールス的にはこれまでのディスコグラフィの中では地味なものだったのかもしれませんが、Marsheauxはこのいわば”隠れた名作”に対するひとつの回答として、今一度スポットを当てるべく制作に踏み切ったのだろうと思われます。それはもう並大抵の愛では成し得ないことです。オマージュばっちりな構成のジャケット写真からもその気合が窺い知れます。
デビューから80sの電子音楽をこよなくリスペクトしながらも、単なる焼き回しに終わらないアップデートされた今の音を聴かせてくれる彼女たちだからこそできる企画だと言えるでしょう。
200枚限定生産のLP+ボーナスCD盤はUndo Records公式ショップのみでの受注にもかかわらずおよそ半日で完売(!!!)。続いて通常盤のLPおよびCDのリリース、そして”Monument”のシングルカットもアナウンスされるなど、DMファンを中心とするシンセポップ大好きおじさん(誰?)の熱視線と懐事情をよく心得た攻めの姿勢で売りに行っており、非常に感心しました。過去のオリジナルアルバムのプロモーションが超絶ユルかっただけに(度重なる延期・歌詞カードのミスプリント etc.)、逆にここまで本腰入ってるのがちょっと変な感じ。笑


兎にも角にもこの原曲に引けを取らない高水準のカバーアルバム、気になる方はまず1曲目の"Leave in Silence"で聴き比べをしてみることをお勧めします。


こちらが原曲。個人的にDMはダークなお耽美系路線よりも初期のピコピコした感じの方が割と好みだと改めて思った。

最新のCharaと初期のCharaが(特に)良いという話


(友人からの借り物で恐縮ですが…)最近Charaの新作「Secret Garden」を勧められて聴いておりましたが、かなりの良作で驚きました。シングル「恋文」がリリースされた時に(少なくとも筆者の周囲では)絶賛の声が多く上がっていたこともあって、10年ほど前はちゃんと聴いてたけど、最近はどんな感じなのかなあと、直近のディスコグラフィ数枚とあわせて改めて聴き直したところ、光の速さでどハマりしてしまっております。恋文、楽曲もさることながらMVも素晴らしい。



彼女の楽曲については個人的にガーリーだったりパンキッシュだったりするものよりは、より素の状態に近いバラードが好きなので、新作でいうと「恋は目を閉じて」のようなオーソドックスだけど直球で胸に訴えかけるような楽曲にグッときました。
そこから遡って2000年代前半にリリースされた「月と甘い涙」「初恋」あたりのシングルが好きだったことも思い出しました(この頃はオリコンチャートを毎週ちゃんと追いかけていた)。
そこからさらに遡りまして「やさしい気持ち」や「スワロウテイル〜」でヒットした時期は言わずもがなですが、デビュー期(1990年代前半)については完全にノーマークだったので、1995年リリースの初ベスト作「THE BEST - Baby Baby Baby xxx」を聴いておりますが、ここ数年の音楽シーンにおいて90年代の音楽が一周してきたタイミングで初期のChara、もうドンピシャです。本当にありがとうございます。特に以下に挙げる曲が好きです。のっけからこんなにかっ飛ばした楽曲を出してたなんて全然知らなんだ…という具合で衝撃を受けてしまったのでわざわざここに書き記すことにした次第です。以上。


Chara - Sweet (1991)
イントロの音の鳴り方が非常〜〜〜に好みです。メイクや髪型、色使いに時代を感じる。


Chara - Heaven (1991)
こちらがデビュー曲。今聴いても褪せてない。


Chara - Violet Blue (1993)
氏のツイート曰く「デビューのきっかけになった曲」とのことで、それも何だか頷ける。これは夜中に聴くと感傷に浸りすぎて危ないパターン(※褒め言葉です)の楽曲。

祝・Grammis受賞!Little Jinder


ちょっと前の話ですが、先月発表されたスウェーデングラミー賞ことGrammis、その中でポップ・アルバム部門の最優秀賞(Åres pop)をLittle Jinder(Josefine Jinder)のセルフタイトル作が受賞しています。
昨年のALBUM OF THE YEARにも挙げたストックホルムのエレポップ女子です。(こちらのエントリ参照)


この部門、Lykke LiやFirst Aid Kitというビッグネームに加え、USデビューも果たし売れっ子街道を驀進中のTove Lo、そしてKentの最新作に客演で参加したことで話題の新鋭Beatrice Eliという錚々たるメンツがノミネートされており、その中では正直に言うとかなり地味な存在であることは否めない彼女の作品。しかしながらノミネート作の中で唯一のスウェーデン語歌唱であることや、ラジオで火がついた先行シングル"Vita Bergens Klockor"(Rebecca & Fionaが客演)が受賞に繋がったのではないかと思われます。
(どうやらここ数年スウェーデンの大衆音楽シーンにおいて英語詞から母国語での歌唱に立ち返るアーティストがちらほら散見されているらしく、女性シンガーのSeptemberが本名であるPetra Marklundで2012年にリリースした”Inferno”辺りが分かりやすい一例として挙げられます。)



また、彼女は1月に開催されたされたP3 Guld(国営ラジオ局が主催の音楽アワード)にて、賞にノミネートはしなかったもののパフォーマンスでイベントに華を添えました。
何故かバックに大写しにされるレオナルド・ディカプリオの画が何ともシュール。


そんな彼女の活動遍歴を改めて振り返ると、USインディーレーベルのTrouble & Bassから2008年にリリースされたEP”Polyhedron”に始まり、その翌年にシングル”Youth Blood”で一時注目を浴びながらも、地道な活動を続けていました。ここでも過去に一度取り上げてました(→こちらのエントリ参照)。
メジャー契約はほんの昨年の話で、2012年のGoldenbestへの移籍をきっかけに、現在のビビッドな色合いのビジュアルや音楽的なスタイルが確立されていったように思えます。それまではデビュー期のLittle Bootsのような宅録少女的佇まいでした。



そこからさらにルーツを辿ってみると、実は彼女が音楽一家の生まれであることが分かりました。父はカントリー系SSWのJonas Otter、そして母のÅsa Jinder(オーサ・ジンデール)はスウェーデンの民族楽器ニッケルハルパの奏者として1979年(当時15歳)から活動しており、双方ともに現役の音楽家として知られています。
Åsaは1995年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストではノルウェー代表のデュオSecret Gardenと共にゲストアーティストとして出場し、見事優勝を果たしています。Wikipediaには1999年に日本の天皇皇后両陛下のスウェーデンご訪問に際し、謁見とともに演奏も披露したとの記述もありました。
Grammisに関しては母Åsaが1990年と2000年にフォークソング部門で2度受賞しており、今回のJosefineの功績により親子2代にわたっての受賞達成と相成ったわけです。おめでたい!



Little Jinder - Little Jinder | iTunes | Amazon


そしてこの受賞作、メジャーデビュー作にして初の全編スウェーデン語歌唱のアルバムとなるわけですが、パンチのある楽曲こそ無いものの、カラフルな靄のレイヤーが全体に掛かった密やかさと浮遊感が支配するゆるふわ系エレポップアルバムに仕上がっています。
このほどMVが公開された”Random Folk”は、先にも挙げたRebecca & Fionaのビジュアル構築にも深く関わっているTommie Xが手掛けています。Vaporwaveや90sカルチャーのエッセンスを取り入れつつも、モチーフの組み合わせの妙によるどこか不穏な(ハッキングされたWindowsのパソコンのような)世界観が何ともクセになる映像です。


TRACK OF THE YEAR 2014 (10-1)




【BEST OF 2014】
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )


10. Röyksopp feat. Robyn - Monument


新作"The Inevitable End"をもってアルバムという形式でのリリースを終えることをアナウンスしたRöyksopp。終末感を漂わせながらも力強いエネルギーに満ちた一曲。コラボ作"Do It Again"に収録されているバージョンに比べてビートを効かせたエレクトロ色強めな仕様になっているので、こちらのバージョンを聴くと元の曲の方に戻れなくなってしまいました。
未練タラッタラで非常に申し訳ないですが、中止になった来日公演がもし復活するなら絶対にこの組み合わせで来て欲しいですね…。ライブ映像を編集してVHSにダウンコンバージョンした(ような質感の)モノクロのMVがまた愁いを誘います。





9. Client - Refuge


新しいヴォーカリストのClient NことNicoleを迎えての新作"Authority"は個人的にいまひとつなところがありました。楽曲そのものの出来は新生Clientに相応しくアップデートされていますが、やはり結成当初からのClient B(Sarah Blackwood)のウィスパーボイスに慣れてしまっているのと、Client Nの声質がこれまた正反対と言っていい程にパワーと芯があるもので、サウンドプロダクションの変化も相俟って未だ別物のような違和感が拭えない部分が残ります。(ファン心理が足枷になる良くない一例)
その中でもいくつか光る楽曲があって、特にこの先行シングルとしてリリースされた"Refuge"、一聴するとダークエレクトロ風味の味付けの楽曲ですが、Nicole嬢のボーカルが(特にサビに入ってから)まるで希望の光が射すかのようなごとく雰囲気を変えるいい味を出してて、面白いバランス感覚です。そしてMVがそれを上手く表していることも特筆に値します。別物だけど別物じゃない、今まで培われたClientらしさと新しさを兼ね備えた、今の彼女たちの指針を明確に表したような一曲です。





8. Especia - アバンチュールは銀色に
(ENG: Towards a Silver Adventure)


Especiaとvaporwaveカルチャーを決定的に結びつけたのはこのMVでしょうか。いやはやこの感じ、LDカラオケか、スキー場か、はたまたボウリング場の映像モニタか。ゆとり世代の筆者にとっても懐かしさと憧憬の念を禁じ得えない出来映えにノックアウトです。楽曲にも同じように漂う80年代後半〜90年代前半を彷彿とさせる空気感は、アルバム"GUSTO"に収録されているバージョンで聴けるハウシーなのイントロからも顕著に表れています(ちなみに元ネタとされるDerrick May "Strings Of Life"のリリースは1987年)。





7. Christine and the Queens - Saint Claude


フランス・ナント出身のHéloïse LetissierによるプロジェクトChristine and the Queens、本国のアルバムチャートでTOP10入りのスマッシュヒットを果たしたデビューアルバム"Chaleur Humaine"からのリードシングル。今年はSiaの"Chandelier"Kieszaの"Hideaway" など所謂「踊る系」のMVをきっかけに注目されるアーティストが多い印象でしたが、個人的にはこの曲を推します。所々モーフィングによって身体を伸縮させながらアーティスト本人がひとりで踊るシンプルな映像。しかし内なる情熱の炎を燃やすかの如く文学的で時に難解な歌詞世界(文学はおろかフランス語もさっぱりなのであまり深くは追究できませんが…)を表すには充分すぎる要素であるように思えます。
このほど同じくアルバムの収録曲から"Christine"のMVも公開されましたが、こちらは青い背景に4人のパフォーマーと好対照。コンテンポラリーダンス(身体表現)の芸術性も彼女の作品を構成する重要な要素のひとつであることが2つのMVから窺えます。





6. La Roux - Kiss And Not Tell


先に挙げたEspeciaともリンクするような80s感満載のMV。日本で言うところのツーショットダイヤル的なアレでしょうか。関係があるのかないのか、アルバム収録曲のいくつかに"Sex"という単語が出てきますが(某カイリーさんの新作じゃないけど)、それらをオブラートに包んで直接的なエロさを感じさせないところに彼女のセンスを感じます。そして何よりも映像の中のElly嬢が前作の頃と比べて表情に人間味が出てきて何だか安心しました。デビュー時は笑顔なんか絶対見せないと言わんばかりのお固いオーラが凄かったのに。こうして見るとやっぱり更正していい感じに丸くなったヤンキーのようだな…。
セルフリミックスと思しき別バージョンではより優しげなタッチのアレンジが施されています。アルバムとセットにして、この曲を最後にアウトロ的な位置づけで聴くとすごく良いです。





5. Katy B - Crying for No Reason


情感豊かなボーカルが映える哀愁エレクトロミッドチューン、という字面で既に最強です。シンガーとしての引き出しの多さと魅力を存分に見せつけた一曲。
また、MVの監督であるSophie MullerはSophie Ellis-Bextorの作品のビジュアル構成に長く関わっている人物とだけあって、女性の一番美しい撮り方/見せ方を心得てます。この曲の次にリリースされたバラードシングル"Still"のMVの監督も手がけており、シンプルな白い背景に赤髪のコントラストがこれまた美しいのであります。





4. Marina and the Diamonds - Froot


現時点で早くも来年のアルバムオブザイヤー候補に上がっている同タイトルの3rdアルバム(4月リリース)の幕開けを告げるこの曲。淡々とした展開ながらもファンキーなベースや背後にうっすら聴こえるピコピコとした8bit的な音色など、聴き所に欠かない仕上がり。この曲を皮切りに、タイトルのごとく様々な色のフルーツを作品のモチーフとした様々なプロモーションを仕掛けてきており、ファンの期待を全力で煽りにかかってます。とことんコンセプチュアルに振り切れた前作"Electra Heart"(2012年の私的アルバムオブザイヤー)に続き、質の高い作品を届けてくれることにまず間違いはないでしょう。





3. Azealia Banks - Chasing Time


フィメールラッパー×エレクトロサウンドの組み合わせ、そういえば好きだったな。ということをふと思い出した(J-POPばかり聴いてた10年前でいうところのHeartsdalesとか)。ラップだけでなく歌もきちんと聴かせるところも含めて。
彼女の楽曲に胸を射抜かれるきっかけとなったUKハウスど真ん中の"1991"をアップデートして2010年代の音として落とし込んだような一曲で、これまたガツンとやられました。





2. QT - Hey QT


PC MusicのA.G.CookとSOPHIEがタッグを組み、(まさかの)XL Recordingsよりリリースされた謎のプロジェクトQT。新しいエナジードリンクの広告?そしてジャケットに映っている女子はバーチャルアイドル的な立ち位置なのかと思いきや、ライブ出演instagramの更新など、実世界でちゃんと活動してて逆に不思議。逆に。何よりもこの楽曲、昨今のEDMブームに対するアンチテーゼか、もしくは日本の音楽カルチャーへのオマージュやひとつの回答としても解釈できそうなシンセのリフが印象的かつ中毒性高し。ドリンクも実在するそうなのでぜひ飲んでみたいところです。





1. FEMM - Dead Wrong


毎度毎度本当にクオリティの高い映像と音楽を繰り出してきたFEMMですが、個人的に一番グッときたのはこの曲でした。MVの和装はクールジャパン的な何かを匂わせつつも、洋楽的なトラックのお陰で独特のミクスチャー感が生まれています。着物もやっぱりテロッテロのラテックス生地である辺りも抜かりなし。
どうしても自分はFEMMというプロジェクトについて考える時に「日本であることの必要性」を論点の軸に置きがちですが、そう言ったもろもろを抜きにして、純粋にエレクトロポップとして非常に秀逸な楽曲であることをきちんと記しておきます。





【BEST OF 2014】
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )

TRACK OF THE YEAR 2014 (20-11)




【BEST OF 2014】
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )


20. きゃりーぱみゅぱみゅ - ゆめのはじまりんりん

(Kyary Pamyu Pamyu - Yume no Hajima Ring Ring)


昨年リリースの2ndアルバム"なんだこれくしょん"までの初回盤で採用されていた、縦型の写真集ブックレット的なパッケージングが非常に好きだった身としては、それ以降のDVD付きシングルへの移行は少し残念に思っていました。それもあってか今年リリースされた新作"ピカピカふぁんたじん"についてもあまりピンと来なかったんですが、自分は彼女のコンセプチュアルですごく奇天烈なビジュアルを作品ごとに毎回きちんと見せる姿勢が好きだったんだなあということに気付きました。しかしながら楽曲はデビュー期ほどのインパクト性はないにしろ、相変わらずの高い水準をキープしているように思えます。
彼女の楽曲は例えば"CANDY CANDY"のような、背後にほんのり切なさの影を落とすような所にグッと来ることが多く、この曲も例に漏れずその系譜を感じます。しかも卒業ソングとなればもう間違いない。シンプルな曲構成なのに何故か泣ける。MVでは過去の楽曲で使われた衣装(意匠)が随所に盛り込まれていて、べつに彼女がこの時実際に何かから卒業するとかそういうわけではなかったにもかかわらず、思わずじんわりと沁み入ってしまうのでした。





19. Javiera Mena - La Joya


ジャケット写真からもご察しの通り「宝石」を意味するタイトルのシングル。アルバム"Otra Era"の中で聴くとわりかし地味な印象を受けてしまうこの曲ですが、2回目のサビ以降に盛り上がりをみせる曲展開が非常にユニークです。楽曲のフィーリングとしてはひとつ前のアルバム"Mena"に収録されてても違和感がなさそうなアレンジで、彼女のファミリーネームでもある"Mena"が「鉱石」という意味を持つことからも、この楽曲ももしかしたら少なからずリンクしていた(前作の収録曲から漏れた楽曲だった?)のではないかと推測しています。





18. Afterschool - Shh


K-POPユニット×日本人プロデューサー(大沢伸一)×UKハウス、という異種格闘技的な組み合わせの一曲。
モノクロを基調としたシンプルな見せ方のビジュアルのMV(これ、地味にライティング技術がすごいと思う)がかなり印象的だったのですが、ひたすらに華やかなエンターテインメント性を求めるK-POPの土俵では完全に勝負できない(orする気がない)玄人向けじみた感じが潔い。そりゃあもうお金をつぎ込みさえすれば派手に飾り立てることなんていくらでも可能で、じゃあそれらを削ぎ落としたときに残るものでこのグループとしてきちんと勝負できるのかどうか、ということを示した、戦略丸無視のひとつの賭けのようにも思えます。





17. Linnea Henriksson - Du söker bråk, jag kräver dans

(ENG: You're Looking for Trouble, I Demand Dance)


スウェーデンの女性SSW、同タイトルのアルバムからのリードシングル。ガーリーなスウェディッシュポップの様相を呈した前作"Till Mina Älskade Och Älskare"から打って変わってのエレクトロ路線に華麗なるシフトチェンジを遂げ、2枚目にして早くも彼女の新たな一面をのぞかせる意欲作と相成りました。いやあ、攻めてます。しかし、歌詞の最初辺りに何故かFrank Oceanの名前が出てくるのは何か意味があるのだろうか。スウェーデン語はほとんどさっぱり分からず、楽曲を聴くときは歌詞の解読に難航しながら聴くのがひとつの楽しみだったりします。





16. Najwa - Feed Us


"Rat Race"以前にリリースされた全編スペイン語詞の全2作がどちらかというと実験作的要素が強いものだったので、リードシングルとなったこの楽曲でようやくポップな側面に戻ってきてくれたぞ、という印象でした。とはいえ10年以上前にトリップホップをやっていた頃から比べるとかなりダークな方向へ突っ走ってはいますが、年齢に合わせて様々に化ける(あるいは演じる)ことができるスキルの妙はさすが女優。やはり何度聴いてもBlack Cherry期のGoldfrappを彷彿とせざるを得ないのですが、この年齢を感じさせない魔女感がGoldfrappと彼女の双方における共通項であることに鑑みると、退廃的ダークエレクトロ路線に間違いはないと確信するに至るのです。





15. Metronomy - Reservoir


これはもうイントロで完全に恋に落ちました。シンセのフレーズが印象的な楽曲は前作でいうところの"Corrine"のようではありますが、メンバー4人がボーカルを取るバンドサウンド寄りな"Corrine"とは対照的に、メインボーカルであるJosephが滔々と歌う非常にシンプルな音作りの楽曲です。そしてMVのアニメーションがこれまた楽曲と最高の相性でとても好きです。
一方Jacques Lu Contによるリミックスでは原曲の持ち味を爽快なまでに跡形も残さない王道4つ打ちエレクトロに料理されています。こちらも合わせてどうぞ。





14. Oh Land - Head Up High


自分の中で彼女の作る音楽には(陳腐な表現をするならば)おもちゃ箱をひっくり返し、自由に飛び跳ね動き回る子どものようにのびのびとしたイメージを持っていたけど、ここまでシリアスモードのOh Land嬢はなんだか珍しいような気がします。でもすごく北欧らしい、というよりはもっと限定的にデンマークらしい(し結局のとことやっぱりOh Landらしいって思っちゃう)独自の空気感を持つ正統派エレポップチューンです。





13. Kimbra - 90s Music


Kimbra姉さんパネエっす。ベースミュージックとの邂逅とは意外な組み合わせかと思いきや、彼女のエキセントリックな魅力に拍車をかけ(すぎ)る結果に。Late Show with David LettermanでのパフォーマンスDJ ShadowとSalvaによるリミックスのビデオエディットも合わせて観て欲しい。
そして何よりもこの90sレペゼンな一曲がある意味では今年の音楽のトレンドのひとつの側面を象徴するような楽曲として不思議な輝きをもってして位置づけられてもおかしくないと思います。





12. Rebecca & Fiona - Candy Love


何度聴いても鬱状態に陥っているかのような殺伐とした楽曲です。あるいは歌詞にも出てくるように、オーヴァードーズになって自暴自棄の一歩手前な(かなりキマッてる)状態のような何とも危うい香りのする空気で満たされています。楽曲のタイトルと2人のビジュアルに騙されて聴いて痛い目に遭った人がいるかどうかは分かりませんが、このメジャーレーベル所属の女性2人組ユニットにしては全然可愛くない(色んな意味での)ヤバさが彼女たちの持ち味になっているのがとても面白い。





11. SOPHIE - Lemonade


PC Music一派が音楽シーンに流れるひとつの異質な潮流としてより広く認知されるようになった2014年。その筆頭としてDazed and Confused MagazineでのきゃりーぱみゅぱみゅへのインタビューBoiler RoomでのDJパフォーマンスなどなど、今年も数多くの謎と驚きを与えたSOPHIE。昨年のTRACK OF THE YEARの第1位に置きました"BIPP"に続くシングルも相変わらずドープ。約2分の短い時間ながら中毒性の高い楽曲です(逆にもっと尺があったら致死量なのかもしれない)。





【BEST OF 2014】
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EP OF THE YEAR 2014 (5-1)




【BEST OF 2014】
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3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )


5. Perfume - Cling Cling


今年はライブ2本(@マリンメッセ2days)とNY公演のライブビューイングと相変わらずPerfumeの現場にしっかり足を運んで踊り狂ってきましたが、今までほどに熱を上げることもなくなったような気がしなくもない。
とは言うものの、こちらの最新シングル(というよりは4曲入りEP)、"LEVEL3"もそうでしたが、ライブ(パフォーマンス)という軸があっての音楽作品であるという彼女達の今のスタンスをより押し進めた一作として、ともするとフルアルバム並みのボリュームを伴って攻めて来ました。
表題曲と"いじわるなハロー"の2曲が特にお気に入りですが、"Hold Your Hand"はライブで振り付けも込みで観ると、ちょっと涙腺が刺激されます。曲の最後に3人がカチッと手を繋ぐ瞬間は不思議と鳥肌が立ちました。こういう体験をすると、あ、やっぱり何だかんだでPerfumeのこと好きなんだよな…と改めて思わされるのでした。
ただひとつだけ言わせてもらうなら、そろそろ衣装をどうにかすべきだと思います。





4. Tove Styrke - Borderline


スウェーデンの若き歌姫Tove Styrke(読み:トーベ・スティルケ)がガラッと路線を変えてカムバック。来年の全米デビューを控えての戦略が垣間見えますが、この路線変更、大歓迎です。
一発目のシングルとしてドロップされた"Even If I'm Loud It Doesn't Mean I'm Talking To You"(タイトル長すぎ)には驚きましたが、思い返せばデビューアルバムの再発盤に収録されている既発曲"Bad Time For A Good Time"に女性ラッパーのGnucciをフィーチャーしたバージョンで既にその兆候が見られていたので、何となく腑に落ちました。
そして個人的にガツンとやられたのがその次にリリースされたタイトルトラック"Borderline"、レゲエチューンなんですが、イントロの音の鳴り方がたまたまそれっぽいだけなのか、楽曲全体にどことなく昭和の日本のフォークソングのような哀しげな空気(あるいは虚しさ)が漂っていて、半ばやさぐれ気味のけだるいボーカルがそれを助長させて非常によろしい。またこの曲のMVの撮影は北極圏に位置するスヴァールバル諸島(人が定住する最北の地)で行なわれ、最果てを感じさせるに相応しい仕上がりです。
そしてこのほど彼女は新たなMVの撮影のため初来日を果たした模様。察するにこのEPの"Samurai Boy"なのではないかと思われますが、こちらの映像の出来にも期待です。





3. Auto-Auto - Underwater Sounds Pt.1


こちらもスウェーデンよりエレクトロバンドAuto-Auto、前作のEPに引き続きインディー路線を押し進めているようですが、今作ではテクノ的な音像が目立つようになりました。1曲目から7分の長尺トラックで幕を開ける"White Room"がその変化を如実に表していますが、メンバーのJohanの奥さんを客演ボーカルにフィーチャーした"Little Worth Fighting For"では変則的な打ち込み3拍子で、いつもの彼ららしいトリッキーなソングライティング能力がきっちりと反映されています。
そしてこのEPのタイトル、Pt.1ということはつまり…RobynのBody Talkシリーズみたいな展開をどことなく期待しつつ、来年の動向を楽しみにします。





2. Little Boots - Business Pleasure


UKエレポップ界孤高の職人、今度はビジネスウーマンに大変身!?…などというダサい触れ込みを考えるはさておき、昨年リリースの2ndアルバム"Nocturnes"が周囲の評価や売り上げに反して個人的にかなりツボな仕上がりだったので以降の動きを期待してましたが、こう来たか。
先行して公開された"Taste It"のMVに目が行きがちですが、どう考えても注目すべきはCom Truiseとタッグを組んだタイトルトラック"Business Pleasure"でしょう。なんとも意外な組み合わせ。Com Truiseが手がけたリミックスは大概Com Truise色に染められてしまうので、彼の持ち味である80年代リスペクトなシンセサウンドに食われまいかと不安でしたが、一方のLittle Bootsによる巧みなコーラスワークを伴うボーカルプロダクションと見事にマッチして、絶妙に妖しい魅力を放つ良曲に仕上がっています。この硬派な質感こそがまさしく今の彼女にとっての文字通りBusiness Pleasure(仕事であり楽しみ)なのでしょう。
スーツに身を固めたビジュアル、フェティシズム的嗜好のMV、エレクトロサウンド…かつてのCLIENTを彷彿とさせるこの感じ。大好きです。





1. Röyksopp & Robyn - Do It Again


1位にしておいて真っ先にこれを言うのも非常にアレですが、来年1月の来日公演、すごく楽しみにしていましたが結局中止になってしまいましたね…無念。
兎も角このとんでもない組み合わせのコラボレーション、5曲だけなんて勿体無い。しかし過去を遡れば2009年にRöyksoppの3rdアルバム収録の"The Girl And The Robot"に端を発し、その翌年にRobynのアルバムにて"Non of Dem"を発表するなど相性の良さは実証済み。
"Monument"はRöyksoppのラストアルバムに収録されているバージョンの方が断然好きなのですが、この1曲目とラスト曲が9分超えの大作で、その間に挟まれた3曲はキャッチーな攻め曲で固める構図で、たったの5曲とはいえフルアルバム並みのボリュームと熱量を感じさせます。





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ALBUM OF THE YEAR 2014 (10-1)




【BEST OF 2014】
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10. Queen of Hearts - Cocoon


(レビューはこちら)


ビヨンセ商法(何の前触れもなく突然リリースすることの例え)で上半期の終わりにドロップされた初のアルバム。先月には既発EPの楽曲やリミックス、未発表曲等を加えた500枚限定の2CD盤もリリースされました。(こちらで購入できます)
そしてこの2CD盤のdisc2がこれまた素晴らしくて、ファーストEPに収録のハードなダブステップチューン"Black Star"や彼女お得意のしっとり系エレポップ"Where Are You Now?"あたりの初期曲の良さを振り返りつつ、Ben Howardのカバー曲"Only Love"、AlunaGeorgeによる"Shoot The Bullet"のリミックス等ボリューム満点です。1stアルバムにして全てを出し切る勢いです。
何度も言うけど、これだけのポップネスを持ち合わせておいてもっと注目されないのは本当に勿体無いと思います。





9. Metronomy - Love Letters


前作"The English Riviera"で初めて彼らの曲をまともに聴いて、一時期取り付かれたようにリピートしまくってましたが、今作もまた同じような現象に陥ってしまいました。何故だか自分の奥底にあるノスタルジーの琴線をくすぐられてしまう。それと、イントロでハッとするようなメロディーを聴かせてくれるのが彼らを好きな理由のひとつであることが分かりました。シンプルでミニマルで不可思議でちょっと(いや、かなり)変態的だけど、それは「不器用」だとか「クセがある」のとは少し違っていて、鉛筆で書かれた真っすぐで洗練された線のような、温かな芯のようなものをアルバム全体の内側に感じるのです。





8. Rebecca & Fiona - Beauty is Pain


(レビューはこちら)


彼女達は戦っている。社会あるいは人に対する憤りや焦りといった感情が楽曲やビジュアルにも如実に表出しています。前作の方がよほど可愛げがあったし大人びていたように思えます(どちらが良いという話ではなく)。アルバムタイトルのニュアンスは“美しさには痛みが伴う”という風に解釈しましたが、楽曲においてはBeautyよりもPainの方に重きが置かれているような印象です。
そして実際の彼女達の生活はかなり豪奢なものであることがinstagramからも窺えますが、アルバムの楽曲からそういったハッピーなオーラが微塵も感じられないのも面白い。また、先行シングルのうち王道EDMな楽曲を敢えてアルバム収録曲から外し、変にアメリカナイズされずにスウェディッシュポップ路線を貫いた姿勢にも好感が持てます。





7. Todd Terje - It's Album Time


《北欧ニューディスコの至宝》と称されるほどにアルバムリリースが渇望されていたと言っても過言ではないノルウェーのDJトッドおじさん(まだ33歳だけど)。
SF映画のようにシネマティックに展開するシンセポップで幕を開けたと思えばラテン、サンバ、ディスコと縦横無尽な音世界に引き込まれます。少しおどけるように気取りながらも愛嬌を振りまくサービス精神は、一連のジャケットを手がけるBendik Kaltenbornによって描かれたイラストによってもバッチリ表現されています(過去のEPのジャケットのイラストもことごとくツボでした)。
"Delorean Dynamite"(このド直球なタイトルよ…)のMVでは実際に映像で使われているデロリアンの車を本当に売りに出してしまうという面白い試みが話題になりましたが、映像そのものも80s感丸出しでとても清々しい。





6. Javiera Mena - Otra Era



チリの女性SSW、約4年ぶりとなる3作目。ここにきて一気にメジャー志向なアレンジに舵を切った意欲作となり、本国での人気っぷりがこちらにも伝わってくるほどでした。日本のカルチャーに多分なる影響を受けたことが丸わかりなどころか、言語が違うこと以外はほぼJ-POPじゃん!と思うような楽曲が多く見受けられます。これは一刻も早く国内盤をリリースしてより多くの日本人の耳に届けるべきだと声を大にして叫びたい。
そんなアルバムの発火点となったのが昨年末にリリースされたシングル"Espada"であり、本作を象徴しているといっても良いこの曲をアルバムのラストに持って来る辺りもなかなか憎い演出です。また、この曲のMVには(主に)日本のアニメーションに対してのオマージュが随所かつ巧妙に取り入れられており、こちらも必見に値します。





5. Azealia Banks - Broke With Expensive Taste


NYハーレム出身のお騒がせ女性ラッパー、度重なる大人の事情を経てようやくリリースされた1stアルバムです。BBC Sound ofに選出されたのが2012年の話で、そこからもう3年近く経ってのデビュー作とはこれいかに。しかしながら(はたまたそのお陰か)アルバムとしての水準はとても高いです。何よりもジャケットが素晴らしい。ジャケ買いオブザイヤーは有無を言わせずこの作品に決まりました。
アルバム全体を聴いていくと曲間がうっすら繋がっていることが分かり、曲の流れが意識されていることに気付きます。特に後半は突如として挟まれるビーチボーイズ風味の楽曲"Nude Beach A Go-Go"(Ariel Pinkのカバー曲で、原曲よりも早くリリースされた上、彼女のバージョンの方が素晴らしいという)が良いスパイスになっており、2回目以降聴くとそれほど違和感を感じなくて逆に可笑しくてますます気に入りました。





4. La Roux - Trouble in Paradise


久々のリリースとなる2作目のアルバムは、そりゃあ5年も待たせたんだから良い作品に違いない!と期待値を上げてしまわないようにリリース前から気をつけていました(?)が、そんな筆者をなだめるように落ち着き払ったLa Rouxの姿がそこにはありました。これってでもあれ、前作よりも何だかスッと入って来るような…シンセポップ全開な前作はそれこそ"Bulletproof"(=防弾)仕様で音も髪型もツッパってたけど、角が丸くなったというか、これじゃまるで更正したヤンキーじゃないですか…
そんなこと言ったら怒られそうですが、とにかく全編にわたって風通しの良いエレポップで非常に秀逸です。7分のロングトラック"Silent Partner"なんかは前作を一瞬だけ彷彿とさせるダークな楽曲ですが、あとはもうほとんど全部が新しいLa Rouxの様相を見せています。プロジェクトがデュオからElly Jacksonのソロへと移行したことも大きな要因かと思われますが、5年のブランクも相俟っていい感じに燻されてます。たとえ次がまた5年後だとしても、このアルバムを長く聴きながら待ち続けることでしょう。





3. Sophie Ellis-Bextor - Wanderlust


(レビューはこちら)


元々バンド上がりのシンガーであるということを皆さんお忘れではないでしょうか、と言わんばかりのアコースティック路線への舵切りにあっぱれと言わざるを得ないし、セールスとしてきちんと前作のもろもろを挽回した点についても評価に値します。メインストリーム系の女性シンガーの中でも下手にセレブかぶれになったりせず、シンガーソングライターであることの矜持を示したベテランの仕事にただただ拍手と賞賛を送るのみです。





2. FEMM - FEMM-isation


(特集記事はこちら)


もはやこれは純然たる「邦楽」でも「日本の音楽」でもない(そもそもそうである必要性も前提も不要でした)けど、日本の東京から発信されるプロジェクトであることを忘れてはいけない。
そして邦楽界はこのアラートに対してもう少し敏感に反応を示すべきだと思う。まず彼女達はそういった所など眼中に無いのかもしれないけど、真意はさておき、こういったプロジェクトは1枚目のアルバムを出して以降が勝負所だと思うので、来年の活動にも期待してます。
ライブ映像がいくつかYouTubeに上がっていますが(例えばこちら)、これは映像じゃなくてちゃんと生で観ないと分からないと思ったので、来年は是非生でパフォーマンスを拝みたいところ。





1. Ronika - Selectadisc


やっぱり80年代エレポップサウンドが一番でした。
今年のベストはこちら、英ノッティンガム出身《2010年代にタイムスリップした初期Madonna》ことRonika嬢による待望の1stアルバムです。
過去のシングル楽曲群については特に遡ること2011年にリリースされた"Only Only""In The City"の2曲がとにかく別格で、これが両A面で出た時は胸をブチ抜かれました。新録曲の中では強めのビートとシンセサウンドでスローに攻める"Shell Shocked"がダントツに素晴らしい。
80年代リバイバル系エレポップはここ約5年ほどで数多く聴き倒してきましたが、ようやくドンピシャなアーティストに出会えたような気分です。



そんな彼女は先月には早くもニューシングル"Marathon"をリリースしています。あわせてどうぞ。






【BEST OF 2014】
1. ALBUM OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )
2. EP OF THE YEAR ( 5-1 )
3. TRACK OF THE YEAR ( 20-11 | 10-1 )